6年連続、食中毒原因物質トップはアニサキスに
厚生労働省の調査によると、2024年の食中毒発生件数において、アニサキスが6年連続で原因物質のトップに立ちました。
今年報告された食中毒事件数は809件で、アニサキスがその中で最も多く検出されています。
アニサキスによる被害の現状
- 全体の約30%を占める:アニサキスは246件で、前年から大幅に減少しました(前年比-186件)。
- アニサキス:246件(約30.4%)
- ノロウイルス:217件(約26.8%)
- カンピロバクター等:164件(約20.2%)
長期的な傾向
2018年以降、食中毒発生件数においてアニサキスが最多原因となっています。その件数推移は以下の通りです:
- 2015年:127件
- 2016年:124件
- 2017年:230件
- 2018年:468件
- 2019年:328件
- 2020年:386件
- 2021年:344件
- 2022年:566件
- 2023年:432件
- 2024年:246件
アニサキス食中毒件数の推移(2015年~2024年)
厚生労働省食中毒統計資料より抜粋
飲食店での対策が鍵
食中毒の発生場所は半数以上が飲食店や販売店であるため、厚生労働省は鮮度管理や目視確認の重要性を強調しています。
新技術での発見ツール:「アニサキスチェッカー」
アニサキスチェッカーは、警察の科学捜査に使われる発光技術を応用し、アニサキスを簡単に検出できる装置です。
- 「アニサキスチェッカー」は、科捜研や鑑識で犯人の痕跡を見つける際に使用される科学技術を応用した画期的な装置です。
特に、次の3つの技術によってアニサキスの検出を可能にしています:- アニサキスが発光しやすい特殊な波長
- 強力な紫外線強度
- 可視光をカットするバンドパスフィルタ
これにより、肉眼では見つけにくいアニサキスを簡単に発見することができます。他の照明装置やブラックライトとは一線を画す、専用の高性能技術です。
この技術により、食材の品質を守りつつ、アニサキスによる食中毒のリスクを低減することが期待されています。