10年以上前の話になりますが、とあるマンションの共用ゴミ置き場内で設備故障による火災が発生しました。
私は当時、臭気対策を行う専門会社に勤めており、火災臭対策のチームとしてこの現場を担当することになりました。
現場調査もほどほどに、消臭作業に移ります。期間は全部で3日間です。
いくつかの消臭作業のうち、1日の最後はオゾン脱臭機を使う工程があるのですが、
家に帰ってからしばらく具合が悪くなりました。
今までも度々ありましたが、今回のはいつもと違うひどい症状でした。
後で同僚から指摘されて分かった話ですが、実は高濃度オゾンガスに晒されて具合が悪くなっていたのです。
防毒マスクをしていたので、オゾンの曝露は無いと思っていましたが、実際には曝露してしまいました。
よくよく思い出してみると、オゾン脱臭作業をした日に限って具合が悪くなっていました。気持ち悪くなり、頭痛がします。しだいに歩けなくなり、寝込んでしまいました。呼吸が浅く非常に辛かったです。
原因は洋服に吸着したオゾンでした。
オゾンガスは洋服繊維の細孔にも入り込みます。
作業後は防毒マスクを外しますが、それ以降、洋服から拡散するオゾンガスを直近で吸い込んでいたのです。
翌日は有給休暇をもらい具合はある程度回復しました。
後日、洋服が怪しいという話になり、どれくらいの曝露をしていたのか現場環境を再現することに。
洋服のみをオゾンガスで包み込んで取り出し、すぐに検知管で測定しました。
すると洋服からは、なんと20ppmを超えるオゾンが検知されました。
数時間後の再測定でも3ppm程度を検知。濃度が徐々に減っているとは言え、数時間これを吸い込んでいたら健康を害してしまいます。
当社のtotteの場合は、労働衛生的許容濃度なので、業務用としても安全に作業が行えるため適していますね。
このように、高濃度オゾン脱臭機は安全性の面で大きなデメリットがあり、ホテルや病院などの日常管理には大変不利な機械です。
インターネットで簡単に何でも変える時代ですが、何も知識がないまま購入して使うのは非常に危険です。
みなさんどうか、私のように具合が悪くならないようにくれぐれもお気をつけください。
防毒マスク・防護服を着て毎日消臭作業をするのは現実的ではありません。
毎日安全に使いたい場合は、totteのような安全性の高い機械を検討してください。
オゾンを高濃度にしなくてもニオイ対策に有効な手段はあります。
そして何より、従業員の安全を第一に考え、機器選定をお願いします。
健康被害や事故は、起こってからでは取り返しがつかないのです。